2025年12月09日
2026年11月までの「元乃隅神社」参拝について記事更新日
2026.01.21
引き締まった身のコリコリとした食感と、噛むほどに広がる濃厚な旨味・甘味が特徴の最高級魚で知られる「とらふぐ」。
「ふぐ」と言えば全国的な知名度を誇る下関市ですが、そのお隣、長門(ながと)市もふぐは盛んに食べられ、観光においても様々な楽しみ方ができることはあまり知られていないかもしれません。厳しくも美しい日本海が育てたふぐのおいしさを、温泉宿と一緒にたっぷりと楽しむ。そんな格別の体験が長門市では楽しめます。
長門市を代表する温泉地「長門湯本温泉」のお宿では、お刺身、ちり鍋、唐揚げ、白子蒸しといったとらふぐを使った懐石料理が古くから親しまれてきました。
とらふぐという高級魚のポテンシャルを余すことなく引き出す料理の数々は、淡白でありながら奥深く、噛めば噛むほどに旨味が口の中に広がる味わいが特徴的。
透き通るような美しさの「てっさ(ふぐ刺し)」、香ばしく骨まわりについた身の旨味が凝縮された「唐揚げ」、コラーゲンたっぷりで美肌効果も期待できる「ふぐちり鍋」、そしてふぐのエキスがたっぷりと凝縮された締めの雑炊など、料理ごとに一品一品表情を変えるのも、とらふぐ料理ならではの醍醐味といえるのではないでしょうか。
今回ご紹介するのは、長門湯本温泉の老舗宿「玉仙閣」で、地元・仙崎港のとらふぐ懐石と名湯を堪能し、その後は道の駅「センザキッチン」で港町ならではの観光とお土産を楽しむモデルコース。
長門だからこそ味わえる”ふぐと温泉を満喫する旅”を、五感で味わう至福のひとときとしてお届けします。

今回、ふぐ料理を楽しみに訪れたのは長門湯本温泉の老舗宿「玉仙閣」。
落ち着いた外観の佇まいと、きめ細やかなスタッフのおもてなしに定評があり、館内には懐石料理を味わえる食事処「仙楽」を常設しています。地元長門で仕入れた旬の食材を大切にした料理は、観光客はもちろんのこと、地元の人々からも親しまれています。

中でも特に注目したいのが、宿泊プラン限定で堪能できる「とらふぐ懐石」。
懐石のお膳に並ぶ料理は、まさに“ふぐ尽くし”!

王道のてっさ(ふぐ刺し)は、冬のとらふぐならではの歯ごたえのある食感が楽しめる一皿。薄造りにされた切り身は、淡白ながらも噛めば噛むほど口の中いっぱいに旨味が広がります。薬味には定番のもみじおろしとネギを添えていただきましょう。

ふぐちり鍋は、おだしで素材の味を引き出す王道のスタイル。ふぐの身はふっくら、皮やアラの部分はぷるぷるとした食感で、体の芯から温まります。また、ふぐは身のおいしさももちろんですが、出汁のおいしさも素晴らしい食材です。上品で深い旨味をお鍋でぜひ堪能してください。
ふぐの唐揚げは、香ばしい衣の中に弾力のある身が詰まり、噛んだ瞬間に旨味が広がる一品です。
さらに、ふぐのにこごりや、白子が入った白子蒸し(茶碗蒸し)、白子を練り込んだお豆腐など、独自の工夫を凝らした創作料理も併せて提供され、懐石メニューとしての完成度を高めており、満足感とともに心地よい余韻を残してくれます。
食前酒には、長門市に残る「楊貴妃伝説」をモチーフにした玉仙閣ならではの楊貴妃ワインが提供され、食事の始まりを優雅に演出してくれます。
他にも玉仙閣オリジナルのメニューで、楊貴妃が好んで食していた料理の一つを再現した薬膳粥があります。鶏ガラと野菜でじっくりと煮込んだ出汁をベースにしたお粥に、併せて添えられた7種類の薬膳の実をまぶし、食事のはじめにたべることで胃に優しく消化を助ける効果が望めます。

ちなみに近年、若い世代のご宿泊利用が増えてきているのだとか。そこで玉仙閣では、「ふぐ料理だけでは少し物足りない」と感じられるお客様の要望に応え、国産牛のステーキもメニューに取り入れるという嬉しいおもてなしをされています。
あっさりとした上品なふぐ料理と、しっかりとした食べ応えのあるステーキの組み合わせは、量・質ともに満足度が高く、幅広い世代から好評を得ています。
楊貴妃浪漫の宿 玉仙閣

食事のあとは、長門湯本温泉自慢の湯へ。
長門湯本温泉は古くから「美肌の湯」と称されるほどの名湯で知られており、泉質はアルカリ性単純温泉。肌あたりがやさしく、入浴後はしっとりとなめらかな感触が残るのが特徴的です。
玉仙閣では、楊貴妃が実際に美貌を育んだとされる中国の「華清池」をモチーフにした露天風呂「華清湯」を楽しむことができます。(女性風呂)
身体の芯から温まり、旅の疲れをゆっくりとほぐしてくれる湯は、まさに“ご褒美の時間”。 立ったまま入浴できるというスタイルもまた珍しいですね。
ご宿泊滞在中には、気軽にこの名湯を堪能することができます。
また館内ロビーは、あたたかな間接照明が印象的な落ち着いた空間が広がっています。こちらでゆっくりした後で散策に出かけるなど、さまざまな楽しみ方ができるため、長門湯本温泉を訪れる方にも安心してご宿泊いただける宿です。


長門湯本温泉には玉仙閣のほかにも、とらふぐ料理を楽しめる宿が多数あります。今回はその中からもう一軒、「大谷山荘」もご紹介します。
大谷山荘では、秋から冬にかけての期間限定で、「とらふくフルコース」を提供する宿泊プランにが用意されています。

透き通るような美しさを誇るふく刺しをはじめ、旨味と弾力を楽しめるふく唐揚げ、コラーゲンたっぷりのふくちり、そしてだしの旨味が凝縮されたふく雑炊まで、とらふぐの魅力を余すところなくフルコースで堪能できる内容となっています。
さらに、雄のふぐからしか取れない希少な珍味「白子」も味わえるのが大きな魅力。時期によっては、天然とらふぐに変更できるランクアッププランも用意されており、温泉と一緒に、冬の山口・長門ならではの贅沢な食体験を叶えることができます。
大谷山荘

玉仙閣で癒やしの時間を過ごしたら、次は長門観光とお土産探しへ。
長門湯本温泉から車で約10分とアクセスも良好なのが、道の駅「センザキッチン」です。仙崎港に隣接し、長門の“海の玄関口”として多くの人でにぎわう観光スポットです。

センザキッチン内でぜひ立ち寄りたいのが、「四代目 大小(だいこ)」
こちらは地元仙崎港で四代続く老舗仲卸「大小早川(はやかわ)商店」による鮮魚店で、仙崎港で水揚げされた鮮魚のほか、長門の美しい海で養殖されたとらふぐを取り扱っています。

店頭では、とらふぐをてっさ用やふぐちり鍋用にさばいて提供してくれるため、家庭でも本格的な味を楽しむことができます。

ここで扱われているのは、地元企業が力を合わせて立ち上げた「長州ながと水産」が育てたとらふぐです。日本海の清浄な海水を陸上の水槽に絶えず引き込み、互いを傷つけないよう一匹ずつ手作業で行う「歯切り」など、惜しみない手間ひまをかけて育成。そうした徹底した管理が、傷のない美しい身と、安心・安全で極上の味わいを生み出しています。
長門の豊かな海と人の情熱が育んだとらふぐの魅力を、ぜひご自宅でも味わってみてください。


センザキッチンで購入できるお土産は、もちろん生鮮品だけではありません。館内には他にも、「ふぐの一夜干し」「ふぐ唐揚げ」や香ばしい「ひれ酒」、手軽に家庭でも楽しめる「ふぐ茶漬け」など、多種多様なふぐの加工食品が並んでいます。持ち帰りやすく、日持ちする商品も多いことから、旅のお土産や贈り物にも最適。
ちなみに山口では縁起を担いでふぐのことを「ふく(福)」とも呼ぶのですが、これらの長門土産で“福の味”をご自宅でも楽しむことができます。





また、センザキッチンの敷地には、地元長門の食材を生かした料理が楽しめるフードコートもあり小腹がすいた際の気軽なランチや軽食にぴったりです。



長門湯本温泉の名湯で癒やされ、地元仙崎産のとらふぐを味わい、海のそばの道の駅でお土産を選ぶ……山口県内でも長門市ならではのふぐの楽しみ方が、この旅には詰まっています。
温泉と美食、そして港町の活気を一度に味わえるこのモデルコース。次の休日は、ぜひ長門市で“湯とふぐ”に出会う旅を楽しんでみてはいかがでしょうか。