楽しむ
仙崎祇園町にある八坂神社(旧称・祇園社)のはじまりは、王子山といわれています。神社に伝わる記録では、遣唐使の吉備真備が中国からの帰途、王子山に素盞嗚尊(すさのおのみこと)をまつり、祇園社としたとされています。当時の青海島は、本土と陸続きであったともいわれています。青海大橋が完成するまでは、仙崎との間に渡し船が行き来し、仙崎出身の俳人・白潟思月(しげつ)は、昭和の初め「春風や尼を乗せたる渡し舟」と詠んでおり、当時の情景が目に浮かぶようです。童謡詩人・金子みすゞが、ふるさと仙崎の風景を綴った「仙崎八景」のうちのひとつに「王子山」があり、「わたしの町はそのなかに、龍宮みたいに浮かんでる」と詠まれています。公園内には詩碑があり、みすゞが生まれた4月には、桜の花見でにぎわいます。
公園
住所 | 〒759-4106 山口県長門市仙崎大泊 |
---|---|
アクセス | ・JR山陰本線「長門市駅」からバスで約11分「王子山公園」停留所下車、徒歩すぐ ・JR山陰本線「仙崎駅」からバスで約5分、「王子山公園」停留所下車、徒歩すぐ ・JR山陰本線「仙崎駅」から徒歩で約30分・中国自動車道「美祢IC」から約50分 |
駐車場 | 5台 |
駐車場料金 | 無料 |
●種類/ソメイヨシノ・ヤエザクラなど約100本
●見ごろ/3月下旬-4月上旬
王子山
公園になるので植えられた、
桜はみんな枯れたけど、
伐られた雑木の切株にゃ、
みんな芽が出た、芽が伸びた。
木の間に光る銀の海、
わたしの町はそのなかに
龍宮みたいに浮んでる。
銀の瓦と石垣と、
夢のようにも、霞んでる。
王子山から町見れば、
わたしは町が好きになる。
干鰮のにおいもここへは来ない、
わかい芽立ちの香がするばかり。
「金子みすゞ童謡全集」(JULA出版局)より
※金子みすゞの詩は、金子みすゞの著作保存会の了承を得て掲載しています。
転載される場合は、必ず「金子みすゞ著作保存会」の許可を得てください。