記事更新日:
2019.11.27
ライター情報:
長門市観光コンベンション協会
11月26日(火)、長門市物産観光センターを会場に、長門の明日を考える会「長明塾」が行われ、市内外から約20人が参加しました。
長門市中央公民館の活動の一環として、毎回、長門市内で活躍する人や新たな取組などにスポットを当てて、学びを深めるこの会。今回の講師は、長門市地域おこし協力隊の観光担当として活動中の村尾悦郎隊員です。
地域おこし協力隊は、人口減少や高齢化などの進行が著しい地域に、地域外の人材を積極的に受け入れる制度。村尾さんは2017年5月に着任し、長門市観光コンベンション協会の支援のもとで活動に励んでいます。
今回の講演タイトルは「地域を文字におこしたい!」、村尾さんが手がけるローカルメディア「ながとと」の挑戦記が語られました。
1~2年目は、観光案内や観光情報発信のサポートが中心だった村尾さん。長門市観光サイト「ななび」の運営に携わりながら、観光客の声に耳を傾け、元乃隅神社案内マップや「ながとポケットマップ」の制作に取り組みました。
そして最終年となる3年目に、ローカルメディア「ながとと」を立ち上げます。
2019年2月にウェブサイトを公開し、4月からはフリーペーパーの発行が始まりました。現在までに毎月1回、合計7冊が発行され、市内外に読者の輪が広がっています。
「みんな長門が好きで、楽しそうに暮らしている。ただ、その息遣いを伝える媒体は存在しない」地域おこし協力隊の活動の中で村尾さんが得た「気づき」が、「ながとと」誕生のきっかけだそう。
「ながとと」は漢字にすると「長門と」、英語にすると「Nagato with」。「◯◯があるから長門って楽しいよね」と思ってもらえるものを取り上げ、より広く伝える役目を担っています。
企画のコツは「好き」を見つけること。
子どものころから食べてきた味、ずっと身近にあった場所、そんな「好き」から取材が始まります。関わりのある皆さんと話を交わし、背景を掘り下げていくうちに、いつしかそれはお互いにとっての地域への愛情や誇りにつながります。
「ながとと」に描かれているのは、そんな皆さんの「愛」なのだそう。
これまでに、地域で長く愛されてきた「味」としては、フリーペーパー第1号の表紙を飾った「桃屋食堂の肉飯」をはじめ、老舗やきとり店「こうもり」や、長門市駅前の通りにお店を構える「味平」などを紹介。
また、青海島地区の地域団体「青海島共和国」や、油谷の立石地区にある「海のそばのカフェ bliss point」など、地域に根付いた活動や場所は、代表や店主の人柄まで伝わってくるような写真と記事で紹介されています。
取材時には、年齢に関係なく「夢」を語ってくださる、と語る村尾さん。
「長門が好きだから、こうしたいんよね」という前向きな言葉に、勇気をもらっているそうです。
そしてスクリーンに映し出されたのは、地域の皆さんの笑顔にあふれた写真。こちらは村尾さんの「愛」が伝わったからこそ、引き出せたものなのかもしれません。朗らかな笑顔で話す姿に、長門市への愛を感じた1時間でした。
最後に村尾さんは、「『ながとと』をまちのローカルメディアとしてもっと多くの人に知ってもらいたい。そしていずれは、話題を提供してくれる人、お話を聞かせてくれる人、そんなゆるやかな協力関係で『編集部』を作りたい」と夢を語りました。
長門市の公式観光サイトである「ななび」とは、また違った長門市の表情を見ることができる「ながとと」。このまちの「息遣い」を感じるような、愛にあふれた記事をぜひご覧ください。