記事更新日:
2020.03.16
ライター情報:
長門市観光コンベンション協会
長門市三隅出身で、幕末には長州藩の藩政改革に取り組んだ村田清風(むらたせいふう)。
財政再建のため、紙・米・塩とハゼの実から採れるロウ、4つの白い産物の生産を奨励する「防長四白」の政策に取り組んだことで知られています。しかし、かつてハゼロウの一大産地だったと伝わる三隅地区も、今では当時を推し量るほどのハゼノキはありません。
そうした中で本日、「村田清風記念館」に隣接した清風の旧宅「三隅山荘」の敷地内でハゼノキの植樹が行われました。
この日集まった寄贈者や村田清風顕彰会の皆さんを前に、村田清風記念館の中野和典館長は「館内には全国的にもめずらしいロウのしぼり機を展示していることから、ハゼノキの植樹は念願が叶ったという思い。皆さんの期待や思いを背負って管理し、秋にはぜひ紅葉を見てもらいたい」とあいさつしました。
こちらは、平成29年7月の九州北部豪雨の被災地・福岡県朝倉市の熊本廣文さんが育て、寄贈されたもの。復興支援に伴う川幅の拡張工事で、畑にあったハゼノキを切らなくてはならなくなったそうです。
熊本さんから「子どもたちの郷土学習に役立ててもらいたい」という思いを受けたのが、山口市在住で櫨文化協会副会長を務める花柳寿寛福さん。清風記念館の中野館長に相談し、このたびの植樹が実現しました。
和ろうそくの原料であり、化粧品や医薬品など多用途に活用されているハゼロウ。
昨年夏には長門市の体験観光イベント「ナガトリップ」の一環で、村田清風記念館を会場に、花柳さんがプロデュースした和ろうそく作りや石けん作りのワークショップを行いました。
新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、記念館は3月末まで閉館していますが、今年も夏にはハゼロウをテーマにした体験プランを計画中。村田清風記念館を訪れた際は、ぜひハゼノキもあわせてご覧ください。