記事更新日:
2021.09.19
ライター情報:
長門市観光コンベンション協会
9月17日(金)〜27日(月)の期間、長門湯本温泉では、約360年の歴史を持つ萩焼深川窯の歴史と、茶の湯の文化に触れるイベント「うつわの秋」が開催されています。
温泉街と隣り合う窯元集落「三ノ瀬(そうのせ)」地区には、明暦3年(1657)に藩の御用窯として「三ノ瀬焼物所」が創業され、約360年にわたって発展を遂げてきました。昨年に続き、今回の「うつわの秋」には、三ノ瀬地区にある全5つの窯元から、8人の作家によってつくられた作品が出展されています。
メイン会場は、長門湯本温泉のシンボルとして再建された立ち寄り湯「恩湯」。初日にはオープニングイベントとして、報道機関に向けた企画説明や会場案内などが行われました。
本企画の主催は、三ノ瀬地区の窯元によって構成された「萩焼深川窯振興協議会」。2019年に技術の継承や世代間交流、地域振興を図ろうと設立された団体です。この日は同協議会の坂倉正紘会長(坂倉新兵衛窯)、田原崇雄副会長(田原陶兵衛窯)が出席し、今年のテーマを「喫茶去(きっさこ)」とし、日常に取り入れやすいものや作家性の強いものなど、さまざまな「喫茶の器」を楽しんでもらえれば、とあいさつしました。
立ち寄り湯「恩湯」には、休憩室のガラスに作家の名前が。感染症の拡大防止のため、入口ではマスク着用やアルコール消毒の呼びかけはもちろん、連絡先の記入などの対策が実施されています。
ガラス張りの開放的な空間で展示・販売されているのは、深川萩の伝統的な技術や素材を生かした喫茶の器。五窯の作家の特徴を見比べながら、抹茶茶碗から珈琲カップまで、さまざまな作品に出会うことができます。
オープニングに合わせて来場された皆さんには、坂倉さんと田原さんから直接作品の特徴や使い方を聴きながら、うつわを手に取る場面も。こうして作家の皆さんの声を聴くことができるのも、貴重な文化体験です。
会場は「恩湯」をメインに、お土産処「おとずれ堂」とギャラリーカフェ「cafe&pottery 音」の計3会場。長門湯本温泉ならではの秋の文化体験が、そぞろ歩きをより楽しく、思い出深いものとしてくれるはずです。
長門湯本温泉の駐車場と「恩湯」をつなぐ、竹林の階段のそばにある「おとずれ堂」。
お土産処として親しまれている建物には、畳敷きのギャラリースペースが併設されています。
本企画のテーマでもある「喫茶去」の掛け軸が床の間に飾られた空間では、より大きく作家性の強い作品が並び、深川萩のまた違った魅力に触れることができます。
今回から新たに会場に加わった、深川萩のギャラリーカフェとして親しまれている「cafe&pottery 音」。
空き家をリノベーションして生まれ、音信川からの穏やかな風が吹き抜ける店内には、カップやお皿などの日常に取り入れやすい作品が並びます。
こちらのお店では、こだわりのコーヒーやケーキなどを、萩焼のカップや器でいただけるのも魅力の1つ。深川萩の世界に触れるそぞろ歩きの後、実際に器に触れながら、ほっと一息ついてみるのもおすすめです。
夏は川辺の時間を楽しむ「おとずれリバーフェスタ」、秋はこの地の文化を味わう「うつわの秋」。
季節の移り変わりとともに新たな発見に出会える、長門湯本温泉のそぞろ歩きをぜひお楽しみください。
【期間】
2021年9月17日(金)〜9月27日(月)
【会場】
長門湯本温泉
【出展】
【詳細はこちら】