記事更新日:
2019.02.19
ライター情報:
長門市観光コンベンション協会
2月15日(金)・16日(土)の2日間、長門湯本温泉のきらきら橋周辺で、夜を楽しむイベント「音信川うたあかり」が開催されました。
17時過ぎ、まだ明るさの残る温泉街に灯されたのは、2種類の「あかり」。長門市仙崎で生まれた童謡詩人・金子みすゞの詩「桜の木」「紅葉のカルタ」をイメージして作られた、桜の花と紅葉の葉の形をしたあかりが川の上を彩ります。
メイン会場のきらきら橋は、電球とキャンドルに照らされていました。
空にはまだ青色が残る中、あかりは水面にも反射し、不思議な空間を演出します。
橋の上から川を眺めるみなさんからは、カメラやスマートフォンのシャッター音が幾重にも聞こえてきました。
川を彩るあかりを監修したのは、長門湯本温泉観光まちづくりで夜間景観を担当する「LEM空間工房」の照明デザイナー・長町志穂さん(写真左)。
イベント前日の2月14日(木)には、1月のワークショップで作成された25個の「あかりモティーフ」を、両岸からワイヤーでつるす設置作業が行われました。
「みすゞのあかりモティーフ」製作ワークショップ(イベントレポート)
地域のみなさんと一緒に、川の中にも入って作業に汗を流すのは、京都工芸繊維大学や京都造形芸術大学の学生のみなさん。互いに声を掛け合いながら、1つ1つ丁寧に設置していきます。
初めての取組に試行錯誤しながらも、どんな景色が見られるのかワクワクする時間。
今回は、メイン会場となるきらきら橋の屋台設営と合わせ、約20人の手で無事に準備が終わりました。
冷たい冬の風が吹き抜ける橋の上には、湯気と煙が舞っています。
こんな夜だからこそ、より一層おいしく感じられる「食」の屋台が軒を連ねていました。
まずは、長門市のイベントには欠かせないやきとり。
香ばしい匂いに誘われて、一時は屋台の前に列ができることも。
やきとりと一緒に味わいたいのは、やっぱりお酒。
ホットワインやビールに加え、「Rショップかわもと」の屋台には学生たちが立ち、お酒に合う全国各地のおつまみを紹介していました。
「あいころりん」のカレーや「A.side」のぜんざい、「とらや」の豚汁・揚げむすびのあんかけと、立ち上る湯気に誘われる来場者のみなさんは、どれを食べようか悩みながら橋を行ったり来たり。
中でも「リトル湯本」のおでんは、特に地産地消にこだわったそう。
市内で作られた練り物はもちろん、なんと大根は家の畑でとれたものなのだとか。味付けをはじめ、地域のみなさんに教わりながら作られたというおでんは、食べ応えもあって体を芯から温めてくれる一品でした。
長門湯本温泉のリノベーション第1号となる「cafe&pottery音」は、おなじみのホットコーヒーやミネストローネスープを提供。1杯1杯、丁寧にドリップされたコーヒーは、心もそっとほぐしてくれるような味わいでした。
完全に日が暮れて、空の色が黒に近づいてきた頃。
橋の上からは、暖色の照明に照らされた温泉街とあかりのコラボレーションが楽しめます。
橋の下に見えるのは、飛び石。
より音信川が身近に感じられる飛び石に乗れば、また違った景色に出会えます。橋を見上げてみたり、温泉街に続く川面に映るあかりを楽しんでみたり、周囲は絵になる場所にあふれていました。
橋の上はもちろん、飛び石を渡った先にある「雁木広場」からも、あかりと食を楽しむみなさんの笑い声が聞こえてきます。
金子みすゞの詩の世界に足を踏み入れたような、不思議な時間。
思わず温泉街を歩いて、写真を撮ってみたくなる。そんな2日間の夜でした。