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JR仙崎駅ギャラリーがリニューアルオープン

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  • 記事更新日:

    2019.04.10

  • ライター情報:

    長門市観光コンベンション協会

2つの功績に思いをはせて

2019年4月10日(水)、JR仙崎駅構内にあるギャラリーがリニューアルオープンを迎えました。

平成15年から約14年間、仙崎駅観光案内所として親しまれてきたこの場所。案内所が道の駅に統合されたことでしばらくフリースペースとなっていましたが、このたび仙崎みすゞ通りにある「まちなかギャラリー」と統合する形でより充実したギャラリーとなりました。

このたびギャラリーに展示されるのは、「輝きながら…」や「for you…」など、数々の名作を生み出してきた仙崎出身の作詞家・大津あきら氏の足跡をたどる資料と、戦後まもなく引揚港として指定された仙崎港の写真パネルです。

さらにこの日から、列車の発着時には「輝きながら…」のメロディーがホームに響くように。親しみのわくやさしい音色は、レトロな雰囲気が漂う仙崎駅にもマッチしていました。

オープニングセレモニーでは、長門市観光コンベンション協会の南野佳子専務理事が「このたびのリニューアルは、地元のある方からの寄付と、引き揚げの歴史を後世に伝えたいという強い想いを受けて実現したもの。仙崎駅、そして道の駅センザキッチンに来られた方に愛されるギャラリーになれば」とあいさつしました。

続いて、大津あきら氏の代表作の1つ「輝きながら…」を作曲した鈴木キサブローさんが、「コンビとして、一緒に多くの仕事をやってきました。仙崎という場所にギャラリーができ、駅にもメロディーが流れるのは大変喜ばしいことです」と述べました。

その後、大津あきらを偲ぶ会の藤田秀人さん、作詞家のせきけんじさん、音楽プロデューサーの徳田裕彦さん、JR長門鉄道部の保見孝好部長が、鈴木さんと一緒にテープカットを行い、セレモニーは幕を閉じました。

仙崎出身の作詞家、大津あきら氏

昭和25年に仙崎に生まれた大津あきら氏は、山口県立水産高校を経て慶応義塾大学を卒業。つかこうへい劇団で数々の舞台中歌の作詞・作曲を手がけ、昭和57年には中村雅俊に提供した「心の色」がヒット、第15回日本作詞大賞・大衆賞を受賞しました。

以後も、高橋真梨子、矢沢永吉、中森明菜をはじめ数々のミュージシャンに歌詞を提供したことで知られ、ギャラリー内には直筆の歌詞の複製が18枚展示されています。

1枚1枚に目を凝らすと、曲が世に出る前のタイトルや、何度も試行錯誤しながら書き換えられたような跡までを見ることができます。

大津あきら氏の家族から寄贈されたという、貴重な遺品も展示。

歌手・沢田研二さんの結婚披露宴の引出物や、本人が愛用していたオーディオで曲を聴くことができるコーナーも設けられています。

この日は早速ギャラリーに足を運ばれた地元の皆さんも多く、「仙崎には4ヶ所に歌詞が刻まれた碑があるので、ぜひこの場所を拠点にめぐって、大津さんの功績を知ってもらえたらうれしいですね」と話される方も。現在は、道の駅センザキッチン・さわやか海岸・人工島・ルネッサながとの4ヶ所に歌碑が設置されています。

約40万人を受け入れた仙崎港

終戦後、下関港に代わる外地からの引揚受入港として指定された「仙崎港」では、昭和21年10月までに延べ283隻の引揚船が入港し、413,961人の引揚者が上陸したと伝えられています。

ギャラリーには14枚の写真パネルが並び、引揚者を支えた地域の皆さんの功績が読み取れます。

当時、引揚船第1号となる旧関釜連絡船「興安丸」は約7,000人の引揚者を乗せて入港。以降、「朝博丸」「大隅丸」「泰北丸」や、アメリカの上陸用舟艇が配置されました。

実際に仙崎で引揚に関わったという方も来場され、写真を眺めながら「やっと日本に帰ってきた、という表情を今でも覚えている。駅という場所で展示されることで、より多くの人に見てもらいたい」と語っていました。

道の駅センザキッチンや金子みすゞ記念館から、徒歩5〜6分で訪れることのできるこのギャラリー。

仙崎にお越しの際は、ぜひ一度、貴重な展示と功績に触れてみてください。

Information

【開館時間】9:00〜17:00
【場所】JR仙崎駅構内
【休館】毎週木曜日
【入場料】無料