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「ながと観光コンシェルジュ養成講座」3日目レポート

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  • 記事更新日:

    2019.07.13

  • ライター情報:

    長門市観光コンベンション協会

青海島の2つの世界

7月13日(土)、「ながと観光コンシェルジュ養成講座」第3回が行われました。

本講座は、長門市の知識を身につける「基本コース」とおもてなし力を高める「ホスピタリティコース」の2本立て。観光客の皆さんを、コンシェルジュのようなおもてなしで出迎える力を磨く講座です。基本コースは6~8月の期間に、全4日の行程で講義や体験が予定されています。

3日目となる今回の舞台は青海島と三隅地区。

まずは青海島観光汽船の「ピンクシータス」に乗って、島をぐるりと一周するところから。

船内では、山口地学会の会長でもある山口大学大学院の今岡照喜教授が、約9000万年前のマグマの活動によって生まれた青海島の成り立ちを紹介しました。

「海上アルプス」と呼ばれる奇岩群が注目される場所ですが、地質の視点から眺めると、赤色や黒色の岩や、白いマグマと黒いマグマが入り混じった模様などが次々に目に入ります。こうした地下深くの火山活動の産物が見られるのは、日本でも有数の場所だそうです。

そして観光船は、湾に面した紫津浦から島へ上陸。

徒歩3分の場所にある青海島キャンプ村でも、今岡教授による地質のお話がありました。

船上とは異なり、誰でも触ることのできる場所にも、かつての火山活動の跡が見られます。

続く2時限目は、ミニビジターセンターを会場に、ダイビングインストラクターの笹川勉さんによる講義。

実際に使用されるウェットスーツやボンベ、水中用の撮影機材を紹介しつつ、水中で撮影されたさまざまな映像を交えた説明がありました。

青海島は暖流と寒流が混ざることから、多種多様な生物が見られる場所。

さらに、南風が強く吹いた日には「湧昇流」という沿岸と深場の海水が入れ替わる現象が発生し、この流れに紛れて深海生物が迷い込んでくるのも特長の1つ。青海島でしか観察できない生物もあることから、全国のダイバーや水中カメラマンの注目を浴びるスポットでもあります。

青海島の海の豊かさ、地形や海藻の素晴らしさを語る笹川さん。

目に見える地上の美だけではない、海中の世界。2つの面から青海島の魅力に迫る充実した時間でした。

三隅が輩出した偉人たち

午後からは三隅地区へ。

村田清風記念館で、中野和典館長からクイズ形式の講義をしていただきました。

紙・蝋・米・塩の生産を奨励した「四白政策」をはじめ、藩の財政再建に尽力した村田清風の功績をたどります。幼少の頃の呼び名から、清風の意思を受け継いだ周布政之助の生涯まで、中野館長の軽妙な語り口に引き込まれ、あっという間の1時間でした。

4時限目は「シベリヤ・シリーズ」で知られる洋画家・香月泰男の生涯をたどる「香月泰男美術館」へ。

まずはギャラリートークのように、丸尾いと学芸員の案内で館内を歩くところから。

1993年に町立美術館として開館した軌跡から、香月画伯の描いた絵の詳細な説明まで。当時の生活や、年代による絵の変化にも触れながら、展示物の見方が変わるようなお話をしていただきました。

最後は、香月画伯とともにシベリアへ行き、帰ってきた「絵具箱」の実物を特別に公開。

モチーフに描かれた「絵具箱」の絵とあわせて、受講者の皆さんはじっと静かに見つめていました。

地元で過ごしている方にこそ、専門的な目で語られる魅力は驚くような発見も多いもの。

全国に誇れるような資源がここにはあると、あらためて実感する場面も多い1日となりました。

次回はいよいよ最終日。4日間にわたる現地研修と、テキストから出題される問題に挑戦する「ながと観光文化検定」も実施されます。「ななび」では引き続き、講座の模様をレポートとしてお届けします。

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