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大寧寺境内にまつられているこの稲荷は、昭和36年(1961年)に愛知県妙巖寺の豊川稲荷のご分霊を勧請して創建されました。御神体は「叱枳尼眞天(だきにしんてん)」といって、仏法の興隆護持、国土の災禍を除き、民衆の福徳成就させる大誓願をもつ御神体で、白いキツネに乗って空を走り仏法を守るといわれています。幕末の文久3年(1863年)、朝廷との対立から七人の公卿が都を追われ、長州に逃れてきました。
その中の一人、三条実美を手厚く保護したのが、大寧寺四十五世・簣運泰成(きうんたいじょう)和尚でした。明治維新後、長州藩では兵制改革のことで反乱事件が起こり、反乱鎮圧の後、首謀者らの大量処分があった際に、助命運動に尽力した簣運和尚は、藩の反発にあい妙巖寺に身を寄せました。その頃、国の神仏分離政策による妙巖寺豊川稲荷つぶしが起こり、簣運和尚は妙巖寺の住職等とともに政府に救済を求めました。新政府の要人の中には三条卿や多くの長州人がおり、豊川稲荷はこの危機を救われました。このような縁があり、長門豊川稲荷を大寧寺に迎えることができたのです。
寺院・神社
住所 | 〒759-4103 山口県長門市深川湯本門前1074 |
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TEL | 0837-25-3489 |
アクセス | 大寧寺バス停より徒歩3分(サンデン交通バス) |
駐車場 | あり |