記事更新日:
2020.07.24
ライター情報:
長門市観光コンベンション協会
散歩感覚で自転車を走らせ、その場所、その時期ならではの発見や出会いを愉しむ『散走(さんそう)』。
今回は「ながと散走プロジェクト」企画として、観光案内所YUKUTEから青海島の大日比地区・青海地区をめぐるモニターツアーを実施しました。
長雨が続きお天気が心配でしたが、この日は朝から青空が広がり、気温もぐんぐんうなぎのぼり。
あまり暑くならないことを願いながらコースを確認し、スタートしました。
今回の一番のお目当ては、例年7月上旬から8月中旬にかけて開花が見られる「西円寺アオバス」。
果たして、花は見られるのでしょうか…。
観光案内所YUKUTEから県道56号を走って青海島方面へ。
青海大橋を渡り県道283号を直進します。
海沿いの道から、上り坂へ。山間を走り峠を越えたら景色が開けてきます。
日差しは強く、じっとりとした蒸し暑い日でしたが、ペダルを漕いで進んでいる間は心地よい潮風を感じられました。
そして、最初の立ち寄り箇所「法洲上人之遺庵」に到着。地元では「隠居所」と呼ばれています。
大日比三師の一人として称えられた法洲上人は、文政5年(1822年)広島・光明院より贈られたハスの種子4粒を持ち帰り、ここに播種しました。
贈られた当時すでに1400年も経っていたといわれる種子は、見事に芽吹き開花。
のちに、この地のアオバスが西円寺に株分けされ、現在でも美しい花を咲かせているのです。
嬉しいことに、2株の美しい花を見ることができました。アオバスの向こうに見えるのは仙崎湾に浮かぶ大日比弁天島。
俳人・尾崎静風が詠んだ句「青蓮揺るとき其処に浄土あり」そのままの光景が広がっています。
続いて立ち寄ったのは、浄土宗寺院「西円寺」。
江戸時代から幕末にかけて法岸・法洲・法道の名僧・大日比三師を輩出した寺院で、日曜学校発祥の地とも言われています。
山口県の文化財に指定されている本堂は、向拝口がなく入口を左右両端に取る珍しい造り。境内の蓮池では大きくふくらんだ蕾1つと、美しく開いた花1つを見ることができました。
西円寺を後にし、「大日比ナツミカン原樹」「大日比三師本廟」に立ち寄ったあと、青海地区へ。
県内最大の淡水湖「青海湖」と深川湾、そしてやまぐちの棚田20選「青海地区の棚田」が織りなす美しい景観を眺めたあと、青海湖周辺をぐるっとひとまわり。
青田の間を風を切って走り、海の見えるコンテナカフェ『浜茶屋三貴』へ。
カフェに隣接する『木村水産』で製造された魚の干物やフライの定食が味わえるお店です。
目の前に広がるのは仙崎湾。時折、カラフルな観光船が通り過ぎるのを眺めながら、おいしいランチをいただきました。
ランチのあとは、仙崎の町並みを一望できる「王子山公園」へ立ち寄り、今回の散走モニターツアーは終了。
初夏の定番コースとしてたくさんの方に楽しんでいただける日が来ることを願っています。
【総距離】約10㎞
【所要時間】約4時間(見学・食事時間含む)
▽「アオバスを見に行こう 青海島photo散走」案内マップ(PDF)