記事更新日:
2021.05.05
ライター情報:
長門市観光コンベンション協会
散歩感覚で自転車を走らせ、その場所、その時期ならではの発見や出会いを愉しむ「散走(さんそう)」。
暖かな日が続き、屋外で楽しめるアクティビティへの関心も高まる今、長門市ではその「散走」を満喫していただけるよう、コースの設定やツアーの企画を進めています。
今回は、現在開催中の体験観光イベント「ナガトリップ2021・春」のプログラムの1つとして企画された、長門湯本温泉を目指すサイクリングツアー「ながと散走・春」の実走レポートをお届けします。
スタート地点は、長門市唯一のサイクルステーションとして、レンタサイクルやサイクルラック、工具などが完備された道の駅センザキッチンの「観光案内所YUKUTE」。シティサイクルやクロスバイク、子供用マウンテンバイクに2人乗りタンデム自転車など、さまざまな自転車が並ぶ中で、今回は「電動アシスト付き自転車」を選びました。
今回のコースは、観光案内所のある仙崎地区から市の中心部である深川地区を抜け、温泉街を目指す約21km。幹線道路を避けるようなルートを描き、民家が立ち並ぶ通りや田畑のそばなど、交通量の少ない道が選ばれています。
道中には、仙崎の長門市総合公園や、深川にある国指定の文化財「赤崎神社楽桟敷」など、桜の観賞スポットにも立ち寄ります。楽桟敷は緑もまぶしく、腰を下ろして休憩したり、写真を撮ったりと静かな時間が流れます。
春の散走ということで「桜めぐり」もテーマに掲げられていましたが、今年は例年より開花時期が早かったこともあり、ツアーが実施された4月上旬にはすでに葉桜となっている箇所も多く見られました。
とはいえ、散走の楽しみは桜だけではありません。
同じ地域に住んでいる参加者であっても、普段はなかなか通ることのない道の数々。
「ここにこんな道が」「こんなところに蓮華草が」目に飛び込んでくるものに、参加者同士の会話も弾みます。穏やかな風を全身で浴びたり、美祢線の列車が線路を揺らす音を間近で感じたり、サドルの上で過ごす時間は発見がいっぱいです。
今回の目的地は、「オソト天国」をテーマに、2020年春にリニューアルを迎えた長門湯本温泉。
地域のシンボルともいえる立ち寄り湯「恩湯」をはじめ、カフェやレストラン、お土産屋など、さまざまなお店がオープンし、そぞろ歩きが楽しい温泉街に生まれ変わりました。
また、温泉街の中心を流れる「音信川」沿いに木々が並ぶ、桜の名所として親しまれているスポットでもあります。
川の上のテラス「川床」や、道路に置かれたベンチでくつろぐ人々を眺めながら、ゆったりとしたペダリングで温泉街の空気を味わう参加者たち。道の駅センザキッチンからはここまで約10km、午前10時過ぎにスタートして、休憩をはさみながら約90分で到着しました。
散走の魅力の1つが、地域の食。
この日は、温泉街の中心に位置する「恩湯広場」でランチタイムを迎えます。
昼食は、温泉街の食事処「恩湯食」のテイクアウトボックス。看板メニューの「長門鶏飯」に、グリルチキンや野菜、地鶏・長州黒かしわスープが添えられた、長門市の鶏のおいしさを満喫できるボックスです。
本来ならここで折り返すところですが、今日は少しだけ足を伸ばして、三ノ瀬地区に今年オープンしたパン屋さん「パンころりん」へ。
こちらではパンはもちろん、淹れたてのコーヒーも味わえます。もう少し先のスポットへ、そんな思いを後押ししてくれるのも、自転車の魅力かもしれません。
オソトが楽しい長門湯本温泉の最新情報は、「長門湯本温泉公式観光サイト」からご覧いただけます。そぞろ歩きのお供になる「オソト天国マップ」も、こちらのサイトからダウンロードすることができます。
お腹が満たされた帰り道には、周囲の田や海までもが見渡せる「長門深川廃寺」や、川辺にずらりと並ぶ桜が印象的な「観月河川公園」などをめぐり、今朝出発した「観光案内所YUKUTE」へ。
先へ先へと導いてくれるような電動アシストのおかげもあって、心地よい疲労感と達成感が参加者の表情に表れます。
今回は「桜」をキーワードに、今注目の集まる長門湯本温泉を目指しました。
今後も観光案内所YUKUTEでは、レンタサイクルを使った新しい旅のスタイルとして、散走の企画や提案を進めていきます。目的地や季節によって、たくさんの発見に出会える「ながと散走」を、ぜひ一度お試しください。
【総距離】約21.1㎞
【所要時間】約5時間(見学・食事時間含む)