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写真家 岩倉しおりさんのながと写真旅<後編>

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  • 記事更新日:

    2021.03.18

  • ライター情報:

    長門市観光コンベンション協会

このたび、㈱ニコンイメージングジャパンの運営するフォトライフスタイルWEBマガジン「NICO STOP(ニコストップ)」と、長門市のフォト企画「YUKUTE PHOTO(ゆくてふぉと)」のコラボレーション企画として、写真家 岩倉しおりさんに長門市を巡っていただきました。

本ページでは、先日公開された「写真家 岩倉しおりさんのながと旅<前編>」のつづきをお届けします。まだご覧になられてない方は、ぜひそちらからご覧ください。

企画者・写真家のご紹介

NICO STOP

NICO STOPは「写真がもらたす豊かさ」をテーマに情報をお届けする、フォトライフスタイルWEBマガジンです。フォトエッセイや撮り方の基本、写真の仕上がりによって、写真と触れ合えるスポット紹介など、写真やカメラを楽しむための情報を発信しています。

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▷ Twitter(@nicostop_editor)

写真家 岩倉しおり

香川県在住の写真家。うつろう季節の光をとらえたフィルム写真が反響を呼んでいる。地元、香川県で撮影した写真を中心にSNSで作品を発表する他、CDジャケットや書籍のカバー撮影、写真展の開催など幅広く活躍。2019年3月、初の写真集『さよならは青色』(KADOKAWA)を出版。

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▷ Instagram(@iwakurashiori)
▷ Twitter(@Shiori1012)

YUKUTE PHOTO

ながとの写真人口を増やしたい。そんな思いから2018年にフォトイベント「YUKUTE PHOTO(ゆくてふぉと)」が誕生。2019年12月にはもっと広い世界に発信するため、「#ながとに物語を」というテーマで撮影された写真をSNSに投稿開始。どちらも長門市の素敵なロケーションを紹介するとともに「ながとに写真を撮りに行きたい」と思っていただけるような活動を行っています。

▷ 公式ページ
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▷ Twitter(@yukute_yuku)

一番印象に残ったスポット

「ながとの海」を中心に9つのスポットを巡った岩倉しおりさん。

日が傾き始めた頃に訪れたのは、閉校した青海島小学校を活用し、地域活性化を目的として建立された「青海島共和国」です。

こちらの校舎は、木造平屋建て。

校舎の端から端までとても広いですが、光を求めて西日の方向へ向かいます。

△教室を確認する岩倉しおりさん


すると、光が綺麗に入る教室を発見しました。元々、図書室だった場所です。

白い廊下に光と影。その空間に惹かれるようにして、岩倉さんは撮影をはじめました。

窓から入る光やそれに伴う影、窓の外にある木のシルエットなど、カメラを向ける先々に、岩倉さんの世界観を感じます。

△西日の方向を撮影する岩倉しおりさん


一番注目していた場所は、教室と廊下を隔てているビニールシート。

そちらは窓の代わりとして貼られていたビニールシートで、時が経ち破れてしまって垂れ下がっている状態になっていました。

△透明なシートを挟んで、光と影が写し出される岩倉さんの手


一見、見過ごしてしまいそうな場所ですが、岩倉さんは光の入り具合に注目。

ビニールシートで光が屈折し、不思議な世界が広がっていました。

長門市に来られる前に、少しでもながとのスポットを知ろうと観光サイトやSNSを通じて情報収集を行ってくださっていた岩倉さん。

それでもやはり来てみないと分からない景色や空間があり、こちらの「青海島共和国」は想像を超えるスポットになったそうです。

△廊下の光を確認する岩倉しおりさん


岩倉さんが「ながと写真旅」を通して一番印象に残っているスポット「青海島共和国」。

ぜひ、西日の綺麗な時間帯にお越しください。

青海島共和国

フォトイベント「YUKUTE PHOTO at SENZAKI vol.1」より

 

 

海からはじまり海で終わる1日目

「どこで、日の入りを迎えよう」。

日の入り時間が近づいてくると、太陽の位置を確認しながら、最終スポットを探しに「青海島」をドライブしました。

△ロケーションを確認しに行く岩倉しおりさん


このたびの「ながと写真旅」は、岩倉さんに実際に長門市をご覧いただきながら、希望された場所で撮影を行っています。

△波の橋立を撮影する岩倉しおりさん


最終スポットとしてたどり着いたのは「波の橋立」。

朝とは異なった光の反射を入れるようにして、岩倉さんはファインダーを覗きました。

だんだんと日が沈んでいきます。

朝早くからはじまった「ながと写真旅」1日目の終わりの景色です。

△日の入りを見届ける岩倉しおりさん


日の入り17:51頃。

1日目の巡った場所を振り返りながら、太陽が沈む様子を見届けることができました。

波の橋立

フォト企画「ながとに物語を」/第21話「涙という宝石を透かして」・未公開話 より

 

 

ながと写真旅1日目の行程

  1. 大日比防波堤
  2. 県道283号線(1)
  3. 県道283号線(2)
  4. 養殖場見学ツアー
  5. 松島海岸
  6. 青海大橋
  7. 王子山公園
  8. さわやか海岸
  9. 王子鼻灯台
  10. 青海島共和国
  11. 波の橋立

夜明け前にみつけたもの

2日目も、朝早くに出発。

この日はあいにくの曇り空で、太陽が出てくれるだろうかと心配しながら、朝を迎えるスポットへ向かいます。

△展望台から日本海をみる岩倉しおりさん


長門市内から車で約30分。日の出のスポットとして訪れたのは、標高333mの高台にある「千畳敷」です。

展望台に上ってみると、空と海の境界線がはっきりとしない幻想的な世界が視野いっぱいに広がります。

太陽が出る方向には雲が広がっていて、日の出は見られそうにありません。

そこで見つけたのが、天高くに静かに佇む「月」。

岩倉さんは、高い位置にある月と被写体を入れるようにして、なるべく下から撮影されていました。

月が完全に雲に隠れてしまった後、もう一度、日本海側をみてみると一隻の船が通りました。

上記写真の中心より下に、薄っすらと船が写っています。

△朝日を待つ岩倉しおりさん


辺りが明るくなってきて、空がふんわりと赤く染まりましたが、雲は一向に晴れず、残念ながら日の出を見ることはできませんでした。

1日目と打って変わって、雲の多い2日目。

次のスポットでは、岩倉さんが撮影のときに意識されている「光」を、どれだけ大切にしているのかを目の当たりにしました。

千畳敷

標高333mの山頂にある、空と海の大パノラマが展開する絶景スポット

  • 詳しくは、観るページ「千畳敷」をご覧ください

光待ちで出会えた瞬間

「千畳敷」を後にして訪れたのは、長門古市駅のそばにある「へきの洋館」。

その母屋は、和洋折衷のつくりになっていて、このたび洋室を撮影させていただきました。

△洋室の窓から光を待つ岩倉しおりさん


岩倉さんは、大正時代にタイムトリップをしたような空間を目の前に「どんな風に撮影しよう」と考えはじめます。

別の部屋も訪れ、それぞれの窓からどんな風に光が入るのかを確認していました。

△太陽の位置を確認する岩倉しおりさん


ここからは、根気よく太陽が現れるのを待つ「光待ち」をすることに。

光のないときは構図を考えたり場所を移動したりして、太陽が現れたらすぐさま撮影を行います。光を待っているといってものんびりとした雰囲気ではありません。

△雲の流れを確認する岩倉しおりさん


雲の見える場所から撮影する場所が離れている場合は、「あと少しで現れそう」となると撮影場所に移動し、現れなかったら雲の位置を再確認するために戻ります。

△光が入った瞬間にシャッターを切る岩倉しおりさん


辛抱強く待っていると、少しずつ光の入る時間が多くなってきました。

柔らかい光から強い光に変化してきて、今まで見られなかった木漏れ日が出現。この機会を逃さないようにと急いで撮影が行われました。

△窓に映る木漏れ日を撮影する岩倉しおりさん


母屋での撮影を終えて外に出てみると、木漏れ日の正体を発見。

窓際に植えられていた大きな木によって生まれていたようです。

外には山茶花の木も植えられていて、タイミングよく光が降りそそぎます。

撮影の終わろうとする頃に、木漏れ日が現れたり、淡い光に包まれたり、まるでずっと光を待っていた岩倉さんへの贈り物のようでした。

△光に包まれる岩倉しおりさん


「へきの洋館」には離れの洋館もあり、そちらでも撮影させていただきました。

△離れの洋館と岩倉しおりさん

 

へきの洋館

地域おこし協力隊を中心に改修が行われている洋館。
一般公開はされていませんが、不定期にイベントが開催されています。

【Instagram】へきの洋館(@heki_smallhouse)

観光船に乗って、海上へ

「へきの洋館」の撮影を終えると12時過ぎ。

ふたたび「千畳敷」を訪れ、早朝に撮影した展望台の建物でもある、カフェ「カントリーキッチン」でランチをいただきました。

△早朝の撮影場所をふたたび訪れた岩倉しおりさん

 

カントリーキッチン

標高333mの千畳敷にある素敵なカフェ


ランチ後は、1日目に多くのスポットを撮影した「青海島」を海上から見るために「青海島観光汽船」へ向かいます。

途中「只の浜展望所」に立ち寄り、海と歩道橋というロケーションを撮影されていました。

只の浜展望所

フォト企画「ながとに物語を」/第3話「こころ通じる青」・未公開話より

 

 

「青海島観光汽船」には「千畳敷」から車で約30分。

いよいよ、海上での撮影がはじまります。

△観光船に乗船した岩倉しおりさん


空は、雲ひとつない快晴。海は、冬の日本海らしく荒れていました。

岩倉さんの住まわれている香川県は島が多く、船に乗る機会は多いそうですが、瀬戸内海はとても穏やかなこともあって、揺れの激しい船に驚かれていました。

コース途中では、スポット説明のために船がとまります。その際には、海底までご覧いただけることも。

岩倉さんは、海底に見えた白い砂浜にとても感動されていました。

△窓から青海島をみる岩倉しおりさん


船が進んでいくにつれて、西日が強くなってきます。

海面を反射する光の輝き方も変わり、島に向いていたレンズが自然と海面へ。

ここで岩倉さんが、窓に近寄って撮影をはじめました。

△窓を撮影する岩倉しおりさん


何を撮影しているのだろうと見てみると、波しぶきで窓についた「水滴」です。

船の揺れのタイミングに合わせながら、海面の輝きと一緒に撮影しているようでした。一体どんな写真になるのでしょう。

船内に入ってくる光の角度が、だんだんと変化してきました。

△西日の方向を撮影する岩倉しおりさん


ながと写真旅、そろそろ終わりに近づいてきます。

海上での撮影を終えた岩倉さんは、ゆったりと窓の外を眺めていました。

△窓の外を眺める岩倉しおりさん


約1時間の乗船時間で、たくさんの発見ができる「青海島観光汽船」。

現在、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、青海島を一周するコースは休止していますが、どのコースも見応え充分です。

長門市にお越しの際には、ぜひご乗船ください。



青海島観光汽船

大自然がつくり上げた洞門や石柱などの岩の芸術作品をご覧いただける遊覧船

ながと写真旅を終えて

最後に訪れたスポットは、1日目にも訪れた「さわやか海岸」。

夕日と淡い夕焼けが広がっていました。

△夕日と岩倉しおりさん(1)


2日間を通して、岩倉さんが巡られたスポットは、計16箇所。

多くのスポットを巡りましたが、長門市はとても広く、まだまだ見どころがたくさんあります。季節によっても違った景色をご覧いただけます。

「ながと写真旅」を終えた岩倉さん。

2日間の旅を振り返って「また、季節をかえて訪れてみたいです」とお話しされていました。

△さわやか海岸と岩倉しおりさん


このたびの企画で撮影されたスポットを含め、ながとではロケーションを紹介するフォト企画「ながとに物語を」があります。

本企画では、ストーリーを感じさせる視点で切り取られた写真でロケーション紹介し、新たなながとの魅力づくりを目指しています。

ながとに物語を — 1話12枚の写真の物語 —

 

 

 

△夕日と岩倉しおりさん(2)


岩倉しおりさんが撮影されたお写真は、3月下旬にフォトライフスタイルWEBマガジン「NICO STOP」にて公開予定です。

公開日には、本サイトでもお知らせしますので、岩倉さんの視点で撮影された「ながと」を楽しみにしていただけたら幸いです。

ながと写真旅2日目の行程

  1. 千畳敷
  2. へきの洋館
  3. カントリーキッチン(ランチ)
  4. 只の浜展望所
  5. 青海島観光汽船
  6. さわやか海岸

記録写真公開中

長門市観光案内所YUKUTEの公式SNSアカウントでは、記事未公開も含めた記録写真を公開しています。

引き続き「ながと写真旅」をお楽しみいただけますので、ぜひアカウントを覗いてみてください。

 

フォトツアー造成にむけて

このたびの企画で、写真家 岩倉しおりさんが巡られたルートをもとに、「ながと体験プログラム“ナガトリップ”」のひとつとしてフォトツアーを造成する予定です。

フォトスポットを巡るには車が必要不可欠な長門市で、はじめてのフォトツアーが誕生するのを楽しみにしていただければ幸いです。

Day1


     

Day2